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社会心理学② 社会問題について「どんな問題か」「原因はなにか」「どんな解決策があるか」

どうもmaximonelson49です。社会心理学のレポートが下書きにあったので晒す。もったいないし。

 

社会問題について「どんな問題か」「原因はなにか」「どんな解決策があるか」

本レポートでは、児童虐待について扱うとともに児童虐待が「どのような問題か」「何が原因か」「どんな解決策があるか」について述べる。

まず、児童虐待が「どのような問題か」についてだが、児童虐待は保護者がその監護する児童に対して行うものであり、厚生労働省によると次の4種類に分類されるという。1.身体的虐待(殴るなど)2.性的虐待(子どもへの性的行為など) 3.ネグレクト(家から出さない、食事を与えない、ひどく不潔にするなど) 4.心理的虐待(ことばによる脅し、子どもの前で家族に暴力を振るうなど)

虐待の行為者は実母がその6割弱を占め、また虐待をうける児童の年齢は未就学児が全体の4割強を占めている。児童相談所児童虐待の相談対応件数は平成24年度で66,701件であり、これは厚生労働省が公開している平成24年まで毎年増加している。またこの件数は相談に至るようなケースであり、軽微・単発のケースまでを含めれば件数はより多く、身近な問題と言えよう。実際、中谷(2006)の調査・研究では「お尻をたたく」「大声でしかる」「泣いても放っておく」については「「しつけ」の一環として行うことが多い日常行為」と指摘されている。

次に児童虐待の「何が原因か」だが、中谷(2016)によると「被虐待歴や抑うつなど親の要因、育てにくさや障害などの子どもの要因、夫婦不和や経済的問題など親子を取り巻く環境要因がリスク要因」であり、中でも加害者である親のリスクは極めて重要かつ中核的な要因とのことである。中谷はこの論文の中で親の認知特性(被害的認知)がネガティヴな感情を経由し、また直接不適切な養育に繋がると示している。中谷自身はこの論文の中では被害的認知がどのように不適切な養育に繋がるかという点を論じており、どのように被害的認知が形成されるかについてはあまり述べておらず、ただ帰属理論によると示している。原因帰属という観点から、子どもに対する親の被害的認知を考えると、下記のような帰属のバイアスによって社会的推論が歪められているのではないかと推測できる。まずは行為者-観察者バイアスである。これは他者の間違いを観察する際はその他者当人に原因があると捉え、自分の行為に間違いがあった場合は状況に原因があったと捉える帰属のバイアスである。これは「ファミレスで騒ぐ子どもと、それを叱る親」の図を考えてみるとよく分かる。親は騒ぐ子どもの観察者として、子どもが騒ぐ原因を子どもの内的要因に帰属させ、同時に騒ぐ子どもの親という行為者としては、子どもという外的な要因に帰属させる。このように、親は行為者、観察者の両面から間違いの原因を子どもに帰属させようとし、自分は子どもによって被害を受けているという認知を深めていく。

さて、最後に児童虐待に「どんな解決策があるのか」について述べる。上記の帰属のバイアスについて、その原因としては自尊心の問題が挙げられる。現在の日本では、家事育児の主担当は未だ女親であり、また母親は強くあるべき(=強くあらねば母親失格である)という母親信仰も見られる。しかし母親も人間であり、人間である限り育児への向き不向きも存在する。それを十把一絡げに育児に向けさせれば、たまたま育児が苦手だった人は自尊心を損なってもしょうがない。また、それまで仕事や趣味を楽しんでいたのに、出産を期にそれらを辞める、というのも、自己概念の複雑性の観点から自尊心を損ないやすくさせるので、避けた方が良い。

これらの点から、育児は女親の仕事という認識を改めることや、望めば共働きのまま生活できるよう待機児童の削減に向けて保育所の拡充を進めるなどの解決策が挙げられる。

 

講義自体も受けてきたのでそのうち講義のまとめもやります。今回は以上。