親です。

読んだ本とかについて書いてます

馬鹿にされて馬鹿にし返すことについて

おつです。maximonelson49です。

 

馬鹿にされてやりかえす、みたいなのについて、メモ的な記事を書く。随時更新する。

 

報復行為とその合理性

例えばツイッターとかで誰かに馬鹿にされて、それに対して引用リツイートで馬鹿に仕返する、みたいなのはスゲエある。こういう馬鹿にし返すってのは目には目をという感じの報復を求める行為。

んで、これはなんつーか「まああんたの馬鹿にして来たこと自体はもうええんやけど、代わりに馬鹿にさせてもらうからそれでノーカンな」ってことだなと思ってる。俺が馬鹿にするって行為を正当化して行う限り、相手の馬鹿にして来たことも正当化されるんじゃね? って思う。

ただ、気持ちとしては、俺は馬鹿にされたくなかった。示したいのは、相手の行為は不当である、ということであり、俺の本当の問いは俺自身が尊重されることだ。だから馬鹿にし返すのってあんまり合理性がない(ほんまに馬鹿に仕返したい人は馬鹿に仕返すのがいいと思う。あと、馬鹿に仕返して相手が自分の非に気がつき謝ってきたらこちらも謝る、みたいなのとかもあんのかな)。

こういう「俺が上だ」とお互いに示し合うマウントの取り合いみたいな権力関係のゲームには参加するだけ損をするから、俺はあんまり合理的ではないと思う。

 

合意の問題

あと思うのは、目には目をって言うけど俺が受けたのは目の痛みなのかそれとも視覚の喪失なのか、みたいな問題がある。つまり、やられたこともやり返したことも、そのコトの大きさを測れないわけで、やり返したことの釣り合いは誰も保証できねーよな? って思うわけだ(私刑はそういう点でだめなんだとは思うが)。やり返す相手との間でも報復行為の態度について合意がある、個々人で納得ずみってんならいいけど、そんなことは滅多に無いだろう。まああと、合意のとれない仕返しは当然、憎しみの連鎖的なものも生む。なのでまー、報復はあんまり正しくなさそう。

 

対等でない関係性における報復行為ーーキンタマ潰しとミラーリング

ここまでは対等な関係において目には目をしないことが合理的かつまあある程度正しいよね、という話だった。んじゃあ次考えるべきがなんなのかっつーと、“対等な関係性”ではないケースについてだ。

んで、この時、例として思い出すのが、 #秋のキンタマ潰し祭り ってtwitterタグだ。発端のツイートは下記のもので、

“エロい格好してるとか、夜出歩いたとかで「おまえには痴漢されるスキがある」とか、痴漢被害にあってる人が非難されるのが普通なんだから、股広げて電車で寝てるオッサンなんかに「キンタマ潰されるスキがある」とか言って、実際キンタマ潰していくしかないのではないか。”

LOVE PIECE CLUB - 阿部悠 - Vol.1 ボールクラッシャーと呼ばれてより引用

 いきなりキンタマを潰すとかいう気持ちの悪いことを言い出してなんなのかと思うだろうが、このキンタマ潰し活動の趣旨を分かりやすく説明したのが下記。

主題は「世の中にあふれているセカンドレイプ」だからだ。性犯罪の痛みを理解する気ゼロのアホが、ネットやテレビでセカンドレイプを悪いとも思わず繰り返している。あいつらに痛みを分からせる必要がある。だから男性特有の痛み、つまりキンタマを狙っていくしかないと思い至った。

まあつまり、ネット上では男性ユーザーを中心に性被害者へのセカンドレイプ(レイプされるのは女が悪い、とか)が横行しており、かつ静止の声も届かないようだから、そんな男にも分かりやすいようにキンタマを潰してみよう、というもの。このように相手に理解しやすいよう性役割を反転させることをミラーリングという(んだと思ってます。たぶんミラーリングってのは正式な用語ではなくてtwitter界隈用語。ネットの辞書にはIT用語のRAIDしか載ってなかった)。

そんで、ミラーリングってまあ報復じゃないですか。実際俺は #秋のキンタマ潰し祭り タグは潰されたらやだなとかあーこういう気持ちねと恐怖もしつつ、なんだかスカッとした気持ちにもなったしゲラゲラ笑ってツイート読んでた。

けど、たしかにこれは報復なんすけど、だからといって“対等な関係性”で合理性や正しさがないのか? って言われるとまた違うと思う。だって男女は対等でないから。格差が厳然と存在してて、すでに権力関係にある。権力関係のゲームに参加することはあんまり頭良くないと思うけど、すでに逃げられない形(社会的な圧力として)で参加させられてる。まあそういう意味でミラーリングは肯定されうるだろうなと思う。

 

あと最後に、なんつーか余談なんだけど、権力を握ることってすごく虚しいことだ。権力関係とコミュニケーションの記事でも書いたけど、権力を持つとコミュニケーションは成り立たなくなる。何にもいいことない。

 

以上。