親です。脚本術です。

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おつです。
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このブログで扱うのは以下の話題です。

  1. 小説、映画、漫画の感想
  2. 脚本術についての考察など
  3. 日々の雑感

書いてる人

脚本術が大好きで延々そういうことを考えている92年生まれの男性です。既婚で子持ち。
文学部を脚本術についての卒論で卒業したり、心理学部を除籍になったり、IT事務員として働いていたり、息子や妻と楽しく生きたりしています。モントリオールに住んでいて日本との時差が13時間前後あります。

好きな映画は『mommy』、好きな漫画は『鋼の錬金術師』『交響詩エウレカセブン』、好きな小説は『ナインストーリーズ』『フラニーとズーイー』、好きなNetflixのシリーズは『アンブレラアカデミー』『セックス・エデュケーション』です。
常に友達が欲しいので小説を書いている、そういうことに興味がある、単に話しかけてみたいって人は何らかの手段で話しかけてください。(twitterID: @subwaypkpk)

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以上!!!

2020年6月に読んだ本

お疲れ様です。6月に読んだ本です。 (人差し指を深爪してしまいキーボードが打ちにくい)

2020年6月に読んだ本

『おまえじゃなきゃだめなんだ』角田光代

短編集...というよりもっと短い掌編をまとめた本。

角田光代にしてはかなり毒気がなくて、おまえ...光代じゃねえな...有川か? となってしまった。(有川浩は好きじゃない)

まあでも読みやすかった。全部は読んでません。

『ほしとんで - 03』本田

ほしとんでの三巻目。漫画です。

今月も楽しく俳句のゼミをやっていた。評価されることとか表現の自由に関する問題とかパクリパクられとか、表現にまつわるいろんな問題について語っていて、面白かった。

『諦める力 〜勝てないのは努力が足りないからじゃない』為末大

諦めるのではない、目的を明確にしてとるべき選択をするだけだ! というようなことが書いてあった。

為末さんの本ってすごく日経とかNewsPicksっぽいことが書いてあって、かつ思想的にも社会的な責任を全く考えておらずあ〜〜新自由主義〜〜な感じなので、彼が彼自身の人生に対してやる姿勢は嫌いじゃないが、社会的な文脈には現れて欲しくないな〜〜と毎回思う。

『プレーンソング』保坂和志

2000年に出版された小説。保坂和志はもう保坂和志しか書けない、しかし何も起きないお話を書く。俺が保坂和志を知ったのは彼の『書きあぐねている人のための小説入門』みたいな本を読んだときで、彼の作品自体を読むのは初めてだったんだが、めっちゃ面白かった。

内容としては、主人公のところに居候が次々訪れて最終的にみんなで海に行くだけなんだけど、居候たちに対する主人公のコメントだったり、たまに主人公が会う友人たちのちょっとした小話だったり、会話だったりが面白くて何も起きていないこの本を延々読んでしまった。こういう本書ける人ってめっちゃ会話うまいんだろうな......と思った。

ゴールデンカムイ野田サトル

ゴールデンカムイを22巻まで読んだ。ゴールデンカムイってやたらとドラマが多くて毎回ギッチギチの構成だしほんとうにうまい。このレベルで話作れるひとっていま日本にどれだけいるんだろう? しかもこの人はエロに頼らないのだよなあ。

下ネタ、人情もの、バトル、歴史風土ネタ、ミステリ的なエピソードなど、ほんとうに色んな手法を使っていて驚かされる。漫画の教科書みたい。いつかちゃんと調べたい。

チェンソーマン』藤本タツキ

これもこれですごい漫画。ゴールデンカムイと比べると7倍くらいの速度で読めてしまう、のではやく50巻くらいまで出てほしい。

ギリギリで生きてるやつらがギリギリで戦うみたいな、かなり映画的な雰囲気のある漫画。絵の構図もかっこいい。あと主人公の恋愛の様子が、なんともこう切ない青春って感じでよい。

ストレンジャー・シングス』シーズン3

もはや本ではないが。シーズン3まで見ました。

このシーズンはかなり女性の権利やらクイアの問題を扱ってた。お話としては後半まであんまり話が進まなくてどうなのかな? というところがあったけど、けど前作で大好きになったスティーブが今作でメインに扱われていたり、そのスティーブとバイト先のニューメンバーとの絡みが良かったりして個人的には満足。

6月に読んだ本は以上。あんまり読めてなくてなんでだろ? と思ったんだけど、平家物語を読む合間に読んでた本なので、そりゃまあ読めないわなと納得。平家物語はいまやっと四割くらい読み終えたところなので、7月中に読み終えられたらいいなあという感じ。

そのほかにも金融系の本とかちくまの新書とかが積んであるので消費したい。

以上!!

短い小説を書きました

お疲れ様です。短い小説を書いたのでその感想と、今後について。

短い小説

書いたのはこれ。

kakuyomu.jp

前回から一ヶ月と少し空いたんですが、まあわりとちゃんとしたやつを書けたかなという気持ち。間に一本かけそうだったけど週末仕事で忙しくて書けずに流れたり、あと昔話みたいなやつ( 創作童話「シャケ鍋太郎」 - subwaypkpk短編集(subwaypkpk) - カクヨム

)を挟んだりもしていた。

今回の話は、怒りを手放して楽になりたいけど許せない、みたいなのを書いた。自分自身が持っている感情について小説のネタにしていこうということを前から思ってて、そのうちのひとつ。とはいえ自分自身が持っている感情からはだいぶ離れてて、着想を得て書いた程度になっている。

前に書いた「蟻と飴玉」よりはちゃんとしてるかなあというふうに思うけど、どこが面白いのって言われたらまあ難しい。外的な問題がはっきりしていないので序盤とか特に読者はどう読んでいいのか分からずに困惑するだろうなとは思う。

まあでも中盤以降は感情をかけていて良かった。

最近の書き方

以前、五万文字くらいの中編を書こうと考えていたころと比べて、自分の執筆への態度みたいなのはちょっと変わってきている。というか、例の中編は途中でもう書き続けるの厳しいなとなって投げてしまっていて、書き方を変える必要があった。

どう変わったかというと、もう長いものはいったん目指さずに、いちにちふつかで最後まで書ききれる分量の小説を書くことにしている。何日もかけて、構成をいじりながら書くというのは、正直いまの人生の状況としてきつくて諦めてしまった。

長編を書く力は長編を書かないと育たないから、本来は長編を書きたい。それと、公募に出してどうなったかな〜と待つというのもやりたい。しかしいまはモントリオールに住んでいるし、フランス語も仕事のスキルも身につけなくてはならなくて、その中で自尊心をめためたにしながら長編を書くというのが苦しいなーと感じた。

しかし長編(厳密には中編だけど面倒なので長編と書く)を書いていたころの考え方もやっぱ良かったなと思っていて、前回書いていた2、3ヶ月の間に、小説についての気づきみたいなのは50個くらいあって、そういうふうに小説の仕組みを考える脳のモードにはいまはなっていない。やはり長編を書いているときというのは24時間が小説の時間で、常に小説の脳がスタンバイしてて、ふとした瞬間にアイデアが出たりする。

いまはそういう状態にはない。書いて、休んでを繰り返している。あと構成について悩むことことがないから、かなり精神的に楽ではある。

ということを書いていたら、深緑野分さんのnoteに良いことが書いてあった。

私の小説の書き方③プロットと失敗作

これの、失敗例を読んでて、あ〜これ前回しくじった中編もこんなんだったな〜となった。書いている途中で矛盾に気がついてこねくり回しているうちにややこしくなり、そして似たようなネタで有名な作品が出る、みたいな展開が、似てた。

で、ここでは、もう諦めて次行くのもいいよ、と書かれてる。

おれは前回の中編を書けなかった時点で、あーおれは長いのやっぱどんづまりになるのかなあと思ってたんだけど、まあ単に矛盾したプロット立てちゃってただけかもなとも思えた。

加えて、今回の短いやつを書いている中での気づきで、舞台を具体的に定めるとよいなというのがあって(今回は京成津田沼に定めた途端書けた)、前回の曖昧さは舞台を定めなかったことにもあるかもなあと。

つまり何が言いたいかって、もう長編はしばらく(今後5年くらいは)無理かなと思っていたけど、そんなことない気もしていて、苦しいけどときどきは挑戦したいなっめ思った、という話。

また書きたいな。頑張ります。

以上。

技巧的ではない、感慨の小説を書くこと

お疲れ様です。今日はたくさん仕事したなって感じあるので日記でも書く。

書きたい小説と書ける小説

小説について。 えー前回の5000文字くらいの小説を書いてはや三週間という感じで、先週末本当は小説をかけそうだったんだけど仕事がいろいろ入ってかけず、時期を逃してなんか違うなとなってかけていない。

いや正確にはちょっとだけ書いた。5000文字くらい書いたら全然終わる気しなくて、これ2万文字コースだなと分かったら書く気がなくなってしまって止めてしまった。2万文字コースでちょっと構成に難がありそうだなとなると、割としばらくの間小説のことで悩まないといけないから、今はちょっと違うなと思ってやめてしまった。

で、そん時思ったんだけど、あ、もうこれ載せるかな小説。一部載せます。

咄嗟のことだったので全く反応ができなかった。たたらを踏んだ足は何も捉える事ができず、大きな音と共にわたしの体は水の中に沈んでいた。5月の日の光のなかで、初夏の光の中では涼しく感じるそれ、実家で飼っているアクアリウムの、悪くなってしまった時の匂いを思い出す。
岸では、祝が冷めた目でわたしを見ていた。
「なんで......」
「むかつく」
カバンが水面に浮かんでいる。草船のようにぷかぷかと浮かぶそれを追いかけるため背中を向けると、祝はその間にすたすたと歩いて行ってしまった。
岸に上がったわたしの全身からは水が滴っていた。それらがすべてくさかった。変な感触がして腕を振ると、緩い裾から小魚が飛び出した。真鮒だ。拾い上げて池に放り投げてやる。

これが冒頭。

自分で言ってしまうのもどうかと思うが面白くない。

そして別のシーン。

釣り具シーウィードにたどり着くと、中崎はちょうどスクーターにまたがってタバコの火をつけるところだった。わたしをみると目をまんまるにして、直後にお腹を抱えて笑い出した。
「え、え、すっごい、どのドブから出てきたの?」
「そこの......」
中崎はわけを聞くとさらに笑い、濡れたままのわたしをスクーターの後ろに乗せてくれた。向かうのはここから五分程度の彼女の部屋。
部屋に入ると、彼女はわたしを風呂まで誘導し、自分は部屋の奥に引っ込んだ。わたしがシャワーを浴びて出てくると脱衣所にはスウェットの上下があって、わたしが脱いだ服はスーパーのレジ袋に入れられる。ごぶさたしました、と言って風呂から上がると中崎は、
「ほじゃ、いこか」
と再び腰を上げる。
やってきたのは近所のコインランドリーだった。蛍光灯に照らされた家屋の中に古い型番の洗濯機と乾燥機が並んでいる。隅には粉の洗剤が大きな桶の中に入っていて、一回一杯、と張り紙がしてあった。
利用客はわたしと中崎だけだった。
洗濯機をセットすると、わたしは週刊漫画雑誌を、中崎は西村京太郎の『日本列島殺意の旅 西村京太郎自選集4』を読んでいた。金髪の彼女が眉間にシワを寄せて気難しそうにそれを読んでいるのはなかなか面白かった。
少しすると、中崎は文庫本にしおりを挟んで伸びをする。
「これ、来るとついついと読んじゃうんだよなー」
「何回も読んでんの?」
「ん。何回も、何回もだな、というかしおり挟んでるんだけど誰かが動かすから同じところばっかり読んでる気もする」
それで満足なのか? と疑問に思ったが声に出しては聞かなかった。そのうち洗濯機が終わったので洗濯物を乾燥機に移し、わたしの持っていた週刊漫画雑誌が青年誌に代わり、中崎は『日本列島殺意の旅 西村京太郎自選集4』を胸に抱えたままスノコの上で横になり、気がついてみると雨がぱらつき出していた。
「中崎ー」
「......え、ああ、何」
「雨降ってきちゃった」
「あーほんとだ。やむかな」 「どうだろ。もうすぐ乾燥機終わるからさ、その時まだ小雨だったら帰る?」
「そうしよか」
中崎は再び眠りに戻る。
乾燥機でふんわりと仕上がった衣類をビニル袋にまとめる段になっても、まだ雨は強くなかった。じゃあ、と言って中崎は雨の中スクーターのエンジンをかけ、わたしもその後ろに乗った。私たちは家まで帰る。

どちらも文章は校正せず、勢いを殺さずに書いてるので文法のミスはある。

けど俺は後者の方が気に入ってる。このお話のメインは祝と私のはずなんだけど、冒頭の祝のシーンはなんか死んでて、中崎とのシーンの方が俺は気に入った。

で、多分これは、冒頭に事件を起こせ、みたいなアレのためにキャラクターをぐいと引っ張ってきてしまって、祝の面白味がなくなってしまってるんだろうなあと思う。

あと、前回の中断した中編を書いていた時も思ったんだけど、何かを言わせたいシーンを描こうと思うとやっぱ死ぬんだよな。ただ中編なんてプロットあってなんぼみたいなところあるから、プロットを立てずに書くわけにもいかない。まあざっくりと決めるポイントだけ決めてあとは流れでやるのがいいのか、どうだろうな。

で、俺はやっぱりこう技巧的な小説が好きなんだけど、それでもこうやって技巧的に何かを書こうとした時に物語が死んでしまうという現象はあるんだよな。

関連するトピックとして、最近尾崎放哉とか後藤比奈夫とかを少し読んで、こう、生活感のある朴訥とした感じもいいなというか、そういうことも思った。あと保坂和志の『プレーンソング』をいま読んでるんだけど、ああいうストーリーの完全にないものもそれはそれで面白い。あと、『あたしンち』とかも。

考えていることをベラベラと書き留めていくと、自分、技巧的でサスペンスフルなものを書きたいと思っているけど、書いていて面白く感じるのは事件の起きていない、何を書いても良いもので、そういうものを書いた方がいいのかなあと。それの方が少なくとも楽しいし書き続けられるかなって。

それを思った時、いわゆるサスペンスではなくても、うまいこと整形する手法とかあるのかなとも。ぽんやりとしながらも、物語としての体裁を整えられる、書いたなと思えるラインがどこにあるのか。以前書いた「いつも爆笑ツイートありがとうございます」みたいなお話も何かあるかっていうと別れとそこへの感慨で、そういう風にまとめられたら自由にいろいろかけるかもなあって思ったりした。

そうなるといいね。

女性主人公

あと、書いておかねばと思ったんだけど、俺は最近殺伐百合戦線というインターネットの企画に投稿できんかなと思って書いてて、なのでというか、女性の主人公が多い。これは企画がそうだからっていうより、そっちの方が書きやすいから。 っていうと、なんか妙な気持ち悪さを感じたりもする。これってインターネット女装みたいな感じかなと思ったりもする。女の隠れ蓑みたいなのを使って好きにする、女だからかわいいはずだみたいな感じで描くのが楽になる。 これ、いや、マジで書いててキモいな。

けどまあ、これだと書けるんすわ。男を面白く描くというのがめっきり無理になってしまったな。悲しいことだが、どうにかなると良い。

眠くなって何書いてるのか分からなくなってきたのでここで終わり。

キャリアの覚書

おつです。色々考えることがあったのでメモ。

概要

えー概要としては、今コロナで色々忙しくてなんもできんなという感情とともに、小説も書けないし仕事もノースキルみたいな感じで度々辛く、そうなるともう小説を全て捨てて英語と仕事のスキルアップだけを目指したくなるが、よくよく考えればまだ頑張る余地あるんだからそんなに絞らなくてもいいじゃないというやつ。

具体案

とは言え、毎日全部を一時間ずつ、とかやっててもしゃあないなあというのもある。三ヶ月ごととかで重点的に取り組みたい問題を切り替えて取り組むとかでもいいのでは?

例えば今取り組みたいスキルっていうと、

  1. 小説
  2. IT系
  3. 語学

の三つの柱があるわけだけど、それぞれこう軽い努力とガッツリの努力に分けて、重心を置いてるやつはがっつり、それ以外は軽い努力、みたいにできると面白い。

小説なら、
軽い:小説を読んだりネタを書きためたり、息抜きにブログを書いたり
重い:プロットを組むような小説を書く

IT系なら、
軽い:全く分からない項目の記事とか本とかを読んで概観を掴む
重い:新しいスキルを使ってシステムを組む

語学なら、
軽い:リスニング教材をきく
重い:毎日英会話して単語も覚える

こんな感じで。

幸い明後日から6月で、こういうことをやってみてもいいんじゃないかなと思った。

2020年5月に読んだ本

おつです。読書の記録。

2020.5に読んだ本

『「私」をつくる 近代小説の試み』安藤宏

小説の語り手が誰なのか? ということが気になってTwitterでうだうだ喋ってたらフォローしてる人が教えてくれた。
言文一致体の成り立ちや『浮雲』での二葉亭四迷の苦悩、「視点」にまつわる問題に対して歴史上の作家たちがどう取り組んできたのかというのが分かった。 なんだろな、まあなんとなくは理解していた、主人公と視点の距離感(心象をどこまで描くかの問題)について、文学者たちがあれこれ考えてるのはまあ面白かった。『三四郎』ではヒロインである美禰子の心情をあえて描かないことで主人公の追った物語以外のもうひとつの物語を立ち登らせる、という説明がされる。この捉え方が若干理解できない。脚本術の考え方でももちろんこの「視点を選びあえて描かないものを作ることによって」面白さを付与する(ここでは美禰子の心情が描かれず、三四郎のことをどう思っているのか? という謎を立てて読者の気を引く)というのは常套的な手段だが、この手法では美禰子はかなり客体化された存在であり、美禰子の物語が立ち昇るとまで言わせる根拠がどこにあるのだろうと思う。
何が言いたいのかというと、この「もうひとつの物語を立ち昇らせる」効果というのはこの「目隠し」という表現技法自体が保証するものではないのではないか? ということだ。例えば同様の目隠し技法を使ったものでは『こころ』におけるKの心情というのがあると(俺は)思うが、こちらははっきりとKの物語があったと言えるだろう。実家から勘当された男が下宿先の女と恋に落ちるが親友に裏切られて自殺する、これは明らかにKの物語でもある。
それに対して『三四郎』とか『それから』とかのヒロインの扱いである。ここに物語があるのか? というのはわりと疑問で、まあだから俺はブロマンスが好きなんだろうなと思った、夏目漱石はもっとたくさんブロマンスを書いてくれればよかったのにな、そう強く思う。いやまじで書いてほしかったな…。

まあこんな感じで小説の技法について文学的な視点からどう語るのかみたいなのはかなり面白くて、こういうことを俺は大学でやればよかったのにな〜と思った。くしくも卒論のときに教授から勧められた『日本小説技術史』が手元にあるのでそれを読もうと思った。

『最後の御将軍 平重衡 義経が最も恐れた男』中津文彦

面白かった。優秀な武官の少なかった平氏において飛び抜けた武功をあげた重衡を主人公に半世紀にわたる源平の争いを描いてる。重衡といろんな英雄たちの間にできる関係性を追うのが楽しかった。

『晴れ、時々くらげを呼ぶ』鯨井あめ

小説現代長編新人賞受賞作。これは読んでいて本当にぼこぼこにされた本だった。一気に読んで読み終わった後二時間くらいいかに自分がぼこぼこにされたかをツイッターに書いていた。

『君の話』三秋縋

吉川英治賞の候補作になってたとかで読んだ。村上春樹の影響がある文章とSFテイストで恋愛小説をやっていて面白かった。

『尾崎放哉選句集』尾崎放哉

短編を書こうとした時に尾崎放哉を調べて、その流れで読んだ。生活感のある俳句が良い。いぬころについての句とか、草の中から子供が出てきてなんか捕まえている、みたいな俳句がよかった。うつわがない手でうける、とかも好き。

『たとえる技術』せきしろ

比喩について色々と書いてあった。そういう視点で比喩を書いてるんだなと参考になった。具体的な例を見ているとほんまにそんな例えするか? と思うものも少なくなかったが、エッセンスとして面白かった。

平家物語 ビギナーズ・クラシック』

平家物語にハマった一ヶ月でもあった。KIYOMORI OF THE DEADをやりたいという下心から読み出したが、割とハマっていてモントリオール現地での平家物語の会みたいなのにも参加した。英語が全然分からなかったが。。

『くまちゃん』角田光代

角田光代が読みたくなったので。Twitterに色々書いたのでそれを引用しとくと、

角田光代『くまちゃん』読んだ。失恋の短編集なんだけど、テーマとしては二十代後半から三十代の、仕事といやがおうにも関わってしまう恋愛の様子を書いてた。初版が10年くらいまえらしくて、時代のことを少し考えた。 俺は社会人になってすぐ結婚しちゃったしあんまりこの職業的な自信のなさを恋愛で補填するとか恋愛の相手を仕事への態度で選ぶとかそういうことはしてこなくて、むしろ三十代とかになって夢!とか恋愛!とかセックス!とか言ってんのを見ると心がキュッとしてしまう感じがあった。
それはそういう生き方であり俺も妻と大学で知り合って結婚しなければ絶対にそういう道に行ってると思うから決して馬鹿にする意図ではないが、しかし自分がその立場にいたらこんな朗らかに自分のことを嘆けるだろうかと思ったんだよな。 俺にとって職業は完全に食いっぱぐれないかという不安との戦いみたいなところも最近は強くて自己を規定するものですみたいなのはそうなんですねと思いつつ三十代にもなってよく悠長にそんなことを言ってられるな年金のこととか心配じゃないんか?となる。これが2010年代頭の感覚なのかと思う。
それとも単に角田光代がそういう世代なのか、または子持ちじゃない人の恋愛を考えたときに年金のことは出てこないのか、恋愛みたいにキャピキャピしたものになると、年金のことはみな考えられないものなのか。 あとは角田光代の仕事観というか、芸術への気持ちみたいなのが書かれていて興味深かった。角田光代は毎回クッソ重たい140キロストレートを投げ込んできてそれを俺は腹で受けるわけだが、今回もすごく面白かった。角田光代を面白いと思う人と酒を飲みたいと思った。
それとこれは「恋愛」に限らず親密な関係性一般にいえることだけど、関係性を保とうとする中でちょっと自分を削りながら接してしまうとか、その相手用の自分を作ってしまうみたいなのとか、そういうの角田光代にはよあるやつだけど今回も良かった。 好きだったバンドのヴォーカルと付き合うことになる短編も良かった。付き合って以降完全に自分が相手仕様になってしまうのとか、別れてから元の状態を取り戻すのとか、よくわかる。

そんな感じ。あと今月はストレンジャーシングスとかを見ました。来月はこのサイテーな世界の終わりを見たい。

日記 - 20.MAR.20

おつです。

仕事

仕事なんだけど、最近ちょっと忙しくというか、まあよく分からんことをやる機会が増えた。で、こういう時「あ、今だめな精神状態だな」と思ことがあり、興味深かった。

まあだめな状態ってのはもう社会人一年目みたいな、自分がミスった時に罪悪感でめっちゃ動きが鈍るみたいな状態で、実際新卒の頃もそういう感じになってたし今もそう。自分今生産性出てないなって状態に入ったり、納期が近づいて全然終わりそうになかったりするとかなり視野狭窄になって生産性がさらに落ちる。論理的な思考ができなくなったり、順を追って考えるとかが無理になる。

これ、仕事向いてねえな〜〜ってすごい思うし自分でも嫌になっちゃうんだけど、そういう感じになる。メンタル弱いんだよな、打たれ弱い

んでまあ、そんな感じなんだけど、これ続くと困るので利害関係のない人に進捗とか今後の方針とかを聞いてもらって「いいね!」とか言ってもらう、というのを始めた。Mentaで金を払って募集した。うまく行くといいなと思う。

小説 - 小説の頓挫と今後の方針

メンタルの状態が悪い、というの、もう一つの原因として小説があまりに書けずに俺はもうだめだみたいな状態に入ってしまっていたこともある。という折に逃げるように短編を書いたんだけど、そっちは結構納得いくものがかけて嬉しかった。

kakuyomu.jp

で、もうこういうスイッチ入った状態だと絶対に書けないので、今回はもうやめてしまおうと思っている。今まで小説を途中であきらめたのは5年前に長期のスランプに陥ったあの時だけで、正直書くのを止めるのって怖い。けど、今回はもう健康的じゃないし、メンタルが回復するまで小説をひたすら読んだり短編をいくつか今後は書いて自信を取り戻した方がいいなと思った。

今回頓挫した理由については色々と考えた。

なぜ頓挫したのか考えると、中心的なワンアイデアが無い、もしくはワンアイデアに問題があった。つまりログラインに問題があった。
今回の「行ける!」って踏んだポイントは「依頼主が死んでしまったゴーストライター」ってアイデアで、本体をなくしたというか、戦う理由を失うというか、そういう構図がいいなと思った。(これは使い回せる。玉音放送を聞いたあとの北方戦線の兵士とか。それでもソ連と戦わないといけない。書きたくなってきたな…、けど『熱源』はそれ扱ってそう)
ただ、この構図にぐっときても、どうそれを回収するか? ってのが難しい。つまり中心的な課題になっていなかった。
依頼主の死は避けようのない問題なので、そこからの回復を描くべきなんだけど、その回復をどういう形で描くかというのが大切になってくる。
あと、ゴーストライターの依頼主ってのがゴーストライターにとってどんな存在なのか。ビジネス書ならまだしも小説のゴーストライターだと搾取構造にあると思ってしまうので、依頼主の死を悲劇として描きにくかった。最初何も考えずに描いたけど、どんどん違和感が出てきた。

自分用のメモから取ってきたので若干わかりにくい文章になってしまっている。

今回の小説は小説を書く人で何か一本、と思って書きはじめていて、ワンアイデアなしにプロットを組んだという意味で結構意義のあるものだった。これで書けたら俺は今後もアイデアなくてもかけるなと思った。
ただまあ実際はそういかず、中心の柱がない物語は見事に崩壊した。プロットをどこでGOだすか、みたいな問題についてよく考えさせられる。
ここ、もうちょい反省をやりたいところだけど、ちょっと時間が迫っているので今回はここまで。

あと今回の頓挫した小説で良かったのは、ヒキを意識した作りができたこと。それと、作っているうちに気付きみたいなのが50個を数えたこと。どっかで公開するかも。

でもやっぱ最後まで描きたかったな。せっかく途中まで描いたわけだし。アイデアの中心化をやり直して、良いところだけ抽出して書き直せないかなあ。できたらやりたいところ。二週間くらい離れたらメンタル安定しないかな?