親です。

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『NAKED』っていうNetflixの面白い映画を見たよ

おつです。maximonelson49です。Netflixで『NAKED』を見たので感想。

NAKED

あらすじは下記。

愛する女性との結婚式直前に、なぜかホテルのエレベーターの中で素っ裸の姿で目覚めるロブ。しかも、どうやらタイムループに巻き込まれているみたい!?

ネイキッド | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

これ公式のあらすじなんですけど、もう百点満点ですよね。見終わってもだいたいこんな感じで、思い通りおバカ映画で全く期待を裏切られませんでした。差別的だったりのいやらしい笑いもなくて、見たあと疲れたりもしませんでした。Netflixのポリコレありがてえ。

シンプルな因果と、SF的な舞台装置の陳腐化

以下ネタバレしつつ書くんですが、この映画で興味深いなと思ったのは、いわゆる脚本術的な典型的な形からズレる描き方をしていた点。

例えばこの映画にはいつくかの課題が与えられている。課題ってのは、それにオチが与えられないと観客が納得してエンドロール迎えられないよね、ってやつのことです。

NAKEDの課題

  1. 成長
  2. 義父との和解
  3. 結婚相手の元カレをぶちのめす
  4. 何故全裸なのか?
  5. ループの謎

で、脚本の王道パターン(?)だと、こういう複数の課題をうまいこと組み合わせて解消させることが多い。

主人公を全裸にした上エレベーターに閉じ込めたのは元カレだった。元カレは主人公の結婚相手に嫌がらせをするため、主人公を足止めし、また義父にも嫌がらせをしかけていた。主人公は元カレの企みを暴き、義父とも和解する。

このストーリーが面白いかは別として、こういう感じに義父との和解、元カレ、全裸の3つを絡めるみたいな。なぜこういうことするかっていうと、理由はいくつかある。

ひとつは、全く別の問題のように思えていた問題がうまいことハマって解消されると、それだけでミステリ的な加点が入るから。ぷよぷよ(死語)みたいなもんです。

それと、こういう『課題ー解消』(問いと答え、フリとオチ、伏線と回収)の因果関係は物語をストーリー付ける重要な要素だが、単に因果を配置するだけだと弱い。多層的にしたり連ねたり、みたいなことで物語は強くなる。そういうわけで色々な課題はまとめあげたほうが物語の筋がかっちりする(と思ってる)。

んだが、NAKEDはそういうことをしない。①成長 は全編通してそれとなく示され、達成される。④全裸 は主人公の元カノが結婚を妬んでのことと分かる。⑤ループの原因は謎のまま(神様のせい、みたいなことはほのめかされる)②と③は絡んでて、元カレが義父の会社に敵対的買収をしかけており、それを主人公がループの中で耳にして解消させる。

こういうやり方って、自分としてはなかなか新鮮だった。因果は多層的なほどよいのかと思いきや、それを選択しない脚本もある(し、面白い)。たぶんコメディであることは大いに関係するんだろけど。

また、SF的な味付けであるループの扱いも面白かった。ループものとしては『何故ループするのか』ってのは物語の中心的な課題であり、それに付随するループの開始地点の謎(今回なら全裸)も物語の中心だと思っていた。けど、この映画の中でのループの扱いはもはや様式みたいなもんで「そういうもの」でしかない。こういう、ループはもはや様式でありそれの斬新な解釈を行うだけがストーリーではない、ってのが新鮮に思えたし、SF的な舞台装置も一周したな、と思わされた。

 

こういうつくりでも充分面白く感じたので、問いと答えを連ねるだけが物語ではないな、ってのが良かったです。それと主人公の顔がとてもよかった。

以上!