親です。

読んだ本とかについて書いてます

2020.9月に読んだ本とか

お疲れ様です。今月読んだ本。

2020.9月に読んだ本

『熱源』川越宗一

ポーランドアイヌ研究者であるブロニスワフ・ピウスツキと、その研究者と交流があり南極探検隊にも参加したヤヨマネクフ(山辺安之助)を主人公に1870年代〜1940年代までの樺太・北海道を描いている。まあでもメインに描かれるのは日露戦争前後。当時、アイヌはもちろん日本に支配をうけていて、ポーランドもドイツ、オーストリア、ロシアに分割支配を受けていた。ここで軽く描かれるのはロシアによる支配で、母語であるポーランド語の使用を禁じられるなどの抑圧がある。
まあこういう背景からも分かるように、強国に支配される民族、みたいなのがテーマにある。支配を受けて同化政策をされながら、我々とはなんなのだろう、我々は消えていくのか? と考えている。
被支配者であるアイヌが「私たちとは誰なのか」を問う物語にたいして、和人であるわれわれが感情移入して読んでしまうということがけっこうやばいのではないかと思うんだけど、まあでも日本人による支配とかを背景化せずにちゃんと書いてはいるのでよいのかなと思う。以前『世界で一番ゴッホを描いた男』という映画を見たとき、主人公に感情移入してしまい、ほんらい彼らを抑圧しているはずの自分たちの立場を忘れてしまったことがあったけど、そういうふうにはならなかった。(こちらも面白いのでおすすめ、中盤で主人公が「ゴッホに出会って自分がどれだけあなたを尊敬しているのか伝える」という妄想をするシーンがうわあとなる。)
他の点についていうなら、全体的に文章とかキャラクターとかの安定感が高くてよかったなと思う。主人公、まあわりとこう熱意のあるキャラクターなんだけど、ふだんは冷静で、こういうキャラクター書けるのは使い回しが効いていいなと思う。おれもストックに入れときたい。

『滑走路』萩原慎一

非正規の人の短歌。狐火みたいなことを書いてんのかなと思ったら、すごい恋愛とか書いててへえと思った。狐火の新譜は良かった。

『かわいい海とかわいくない海 end.』瀬戸夏子

これ教えてもらって購入。詩っぽいな、という感じ。

『あそこ』望月裕二郎

なんか坂をくだったら幕府を開こうみたいな短歌が良かった。

『コンビニに生まれかわってしまっても』西村曜

めちゃくちゃ面白くて短歌こんな面白くていいのかなって思った。

『きみを嫌いな奴はクズだよ』木下龍也

良いタイトル。

『はじめての短歌』穂村弘

これめちゃ面白い。「生きのびる」ためのことばと「生きる」ためのことばという観点で短歌について解説している。簡単に言うと生きのびるためのことばとは解釈の余地が少なくて会社とか社会で求められることばや態度。生きるためのことばはどうでもよくて称賛されたりするわけでもないことばや態度。
で、「生きのびる」は社会で重要なこととか仕組みとかそういうことなんだけど、おれが小説でやりたいことのおおきなふたつに社会性と脚本術があり、これがもろそれじゃんとなった。そういうときにおれが短歌をかく意味っておおきいんじゃないかなとおもった。

青野くんに触りたいから死にたい椎名うみ

漫画。めちゃくちゃに面白い。現代ラブコメなんだけど民話っぽいホラー演出が入ってる。ドラマの重ねかたが凄くて、主人公の過去話とかサブキャラクターの過去話とか、民話だとか、進行形の関係性だとか、いろんなのを並行して描いて、かつそこにホラー演出まで挟んで、だれかに全部受け止められたい的な青春の恋愛とホラーが撮り合わされててこの鳥肌どっち!? みたいになり最高だった。この感情ははじめてだった。すごい。

その他

ワールドトリガーの8巻まで、ゴールデンカムイの最新刊、進撃の巨人の最新刊を読んだ。ゴールデンカムイは本当にすき。進撃はほんと話がわからなくなってきた。ワートリは続き買おうかなと今おもってる。

2020.9月に見た映画

『グレート・ハック』『監視資本主義』Netflix

どちらもSNSがユーザーを依存させ、同時に広告で売り上げることについて描いた映画。前者は特にFacebookケンブリッジアナリティカが2016年アメリカ大統領選挙で行ったこと扱い、後者はもっと広い内容を扱っている。面白かった。

風立ちぬ

はやりハヤオはすごいなあという気持ちがあるのと、ここにきて初めて体制側の男性を描いており、かわいいおばあちゃんなども出なかったので少し残念だなあとも思う。 千と千尋もポニョもハウルもおばあちゃんがよくかけていて良いなと思う。あの身勝手な感じとかが凄く良い。だから好き。

ハウルの動く城

三回目くらい? また見た。ハウルがかっこいいので見たくなって見た。

2020.9月に書いたもの

勇者全員殺す

https://kakuyomu.jp/works/1177354054921973086

まだまだ色々と未定なんですが、第一章を書き終えました。この調子だと5万文字くらいになるとおもう。これ面白いぞと思って書き始めるときと、やっぱファンタジー辛いわと思って手を止めるときが交互にやってきてなかなかかけない。でも多分書きます。

来月の目標

積読をいくつか消費したいなと思ってます。
あと『勇者全員殺す』をどうにかする。やっと三人称に慣れてきたような気がする。これ書き終わったら氷海のヴェルヌ(めちゃ面白いWebの小説)二次創作をやってみたい、作者の人が許せば。。

以上。