親です。

読んだ本とかについて書いてます

2020.11に読んだ本とか

はい感想。

2020.11に読んだ本

『ゼロから分かる奴隷の歴史』

Wikipediaコピペしたような本だった。32円くらいで売ってたら買っても良かった。

『奴隷船の世界史』

めちゃくちゃいい新書。大西洋奴隷貿易の歴史をヨーロッパ、カリブ諸島、南北アメリカの視点から書いてて面白く、加えて奴隷貿易商がどんな人物像をしていたのか? みたいなところにもデータでもって解説を入れており大変よかった。

『逃走作法』

東山彰良『逃亡作法 turn on the run』を読んだ。すごく久しぶりに小説読んだな〜みたいな気分になった。いやちょっと前に三体読んだりもしてるんだけど、『逃亡作法』は文体が良くて、文章を読む楽しさがあり、小説を読んだぞ、と思わされた。 とくにこう、本筋と関係のない語りの饒舌さとかがよかったなと思う。キャラクターがジョーク本読んでてその中からいくつかのジョークを紹介してくれるとか、変な哲学を語り始めるとか、変な行動をしているとか、そういうのってこの物語自体には関係ないんだけど、印象としてはめちゃくちゃ残ってて、物語に切り取られていないキャラクターの大きさを感じさせてよかった。東山彰良の他の作品も読んでみたいなと思わされた。この人はkindle読み上げよりも目で読んだ方が面白いんだろうな。

『狭小住宅』

めっちゃ良かった。ジェイクギレンホールが主演してた『ナイトクローラー』の主人公を真人間にした感じ。都心で戸建てを売る不動産営業の話なんだけど、序盤に異様な雰囲気作るのがうまく、また何者でもない自分みたいなテーマが刺さりやすくて良かった。構成的にもちょっと面白いなと思ったので下記ネタバレしつつ書きます。

ーーーーここからネタバレありーーーー

面白いなと思ったのが、主人公を落ち込ませるエピソードの入るタイミング。いわゆるハリウッド的な(といっても30年以上前のハリウッド)構成法だと物語の真ん中で主人公が絶頂に至り、物語の70%くらいの位置で落ち込み、75%とかで光明を見出し、そしてラストスパート、という感じになる。ただ『狭小住宅』は序盤から中盤に至るまで仕事やめたい〜という話をずっとしてて、かなりダウナー。辞める前に一回営業頑張ってそれで辞めるか、とか思って取り組んだら一件売れて、それが六割くらいのところ。それからは成功とアイロニカルな不安を繰り返して終わりを迎える。整理すると、

①仕事やめたい ↓0% ②異動になる ↓ 37% ③豊川課長に辞めろと言われる ↓ 49% ④あと1ヶ月頑張る ↑ 57% ⑤全く売れない ↓ 59% ⑥蒲田が売れ、表彰される ↑65% ⑦ジェイさんが辞める ↓ 68% ⑧豊川課長のOJT ↑ 70% ⑨2件目が売れる ↑ 70〜85% ⑩何者かになるがただただ空虚、エンディング ↓ 85〜100%

前半はダウナーなシーンが続くように思えるが、実際は大学時代の同期と飲んだり、恋愛要素が入ったりしている。 こうしてみると後半のたたみかけがめちゃくちゃうまいなとおもう。「⑨2件目が売れる」は本当に良くて、この物語が皮肉な結果に終わるだろうと予感しながらも成功に鳥肌が立ってしまった。そしてその通りアイロニカルなエンディングを迎える。 後半はシーンがあるべきところに収まっている感覚がつよくて、それが良かった。 たぶんふつうの物語とは逆パターンのお話なんだろうな。落ちて、あがって、落ちる話。成功の話は合間にちょっとした不穏さを挟むと緊迫感が出る。「⑦ジェイさんが辞める」の繋ぎ方はなるほどと思った。落ち込むシーンはまだ成功できないのでサブプロットで繋ぐ。それは前半だからできること。 なるほどなー。いま自分が書いてるやつもこれと同じことをやりたくて書いてるんだけど、やっぱ全然だなとおもう。本筋が見えてこないし。それは設定詰めてないから物語も見えてないんだろうね。エピソードが散らかるのも物語を深く捉えられていないからっぽい。 はい、頑張ります。

『奴隷のしつけ方』

帝政ローマ時代の奴隷制度にまつわるいろんなトピックを扱っていた。特に面白かったのは奴隷の売られ方をとりきめた法律のことや、奴隷が増加する原因や、奴隷解放にまつわるもの。

ロビンソン・クルーソー

イギリス人の船乗りがカリブの島に流れ着いてそこで30年くらい生き延びるという話。大西洋奴隷貿易時代の話を書きたいな〜と思って参考に読んだんだけどめちゃくちゃ面白かった。雑に説明しちゃうと少し前にマット・デイモン主演でかなり売れた『オデッセイ』みたいな感じ(まあむしろ『ロビンソン・クルーソー』が『オデッセイ』に影響を与えたんだとおもうが)。 面白かったのは、孤島でのいろんな工夫がDASH村的に成功して行く点。だいたい成功する。上手くいくのって楽しい。あとは困難な状況で語られる信仰。聖書の引用がちょいちょいあり、困難に耐えるときにこうやって信仰を深くして行くのかみたいなところとか、こう言う状況になると神に見放されたとかおもうんだなあとか、そういうのが新鮮で面白かった。翻訳者のあとがきでも書かれていたが、困難な状況とそれを克服するための心の支え(信仰)という対立構造みたいなものは普遍的なテーマで、いろんな物語で見られる。おれじしん何故ひとが困難に立ち向かえるのか? みたいなのは色んな小説や資料を読んでても考えてしまうポイントで、そこに信仰がくるというのが自分に書けないところだったので面白かった。

2020.11に見た漫画・映画

スティール・ボール・ラン

ヴィンランド・サガ

『堕天作戦』

ハウルの動く城

『ハッピー・デス・デー』

2020.11に書いたもの

こないだから書いてる中編の設定詰める作業をした。一回書き上げてから設定詰めるのアホだと思うんだけど、まあそうした。

最後に

今月は気がついたら終わってた。季節の変わり目ってことも影響してるのかもしれないけど、とにかく難しいことを考えたくない期間で、YouTubeみてだらだらしていた。月の前半はわりと本を読んでいたけど、後半は全く読まなくなってしまった。