『新しいLinuxの教科書』を読み終えた
『新しいLinuxの教科書』読み終わった。いままでなんとなく理解してたり言葉だけ知ってたことが結びついて驚きだった。読んで良かった〜。
まあでも読むだけでは分かってないところも多くて、awkコマンドとかは全然使えなさそう。けど使いたい。いろんな便利そうなことが書かれてて、Linuxで開発する上では必須だなとおもった。
他にもいろいろ便利そうなコマンドとか、膝を打ったことがあった(Linuxの基本的なディレクトリ構造とかPATHを通すとか)んだけど、いちいちあげていくとキリがないし面倒なので振り返りとしてはこんなもん。
コマンドの使い方とかは使ってかないと理解できないから、あえて覚えようみたいな気持ちもあんまりない。手を動かしてやれればよかったなとはおもうな、色々試せただろうからね。
なので今後としては、失敗できるところでコマンドを使う機会を作るとかかな。個人開発の機運高まってるからそれがひとつ。あと並行してNginxの勉強もしたい。けど基本情報技術者試験の試験日も迫ってるので、その復習もやらねばと思ってる。
てかそもそも、Linuxの勉強しようと思ったのってLinuxの資格を取りたかったからなんだよなー。けど勉強してみたいま、もっと深く学びたいかと言われるとそこまでな気持ちがある(単に飽きてきたというのもある)。それよか、いま開発でやっているけどちゃんと勉強したことのない分野をひと通り学びたい気持ちがある。なのでwebサーバーとか、サーバーとインフラ全般とか、API設計とかフロントエンドとかをやりたい。ってなるとアプリ作ろうかな?ってなる。
一方でdockerとかの便利なやつらはしばらく使わないでいたい。dockerとか使っちゃうと自分が何してるのか分からないし。Herokuもそうだったんだよなー。だからSSHつかってコマンド打ってファイル作って、という地道なところをやっていきたい。
とりあえず『nginx実践入門』を購入、あとは自宅にあった『自走プロクマラマー』をパラパラ読んだり、『webエンジニアが知っておきたいインフラの基本』を読んだりしたいなと思ってる。自分の知識で読めるかなー?
まあそんなところ。がんばるぞい。
Twitter辞めることに成功した
7月の頭とかからTwitterをほぼやらずに生きている。Twitterやめたいな〜とずっと前から思っていて、けどTwitterは面白いのでついついやってしまっていた。iPhoneのスクリーンタイムとか使って制限してる時期もあったんだけど、なんか仕事が忙しくなってむしゃくしゃしたときに過去のツイートを全部消してアカウントも削除した。いまは復活させてあるけど、Twitterやりたい欲がちゃんとないので、まあいいかなとも思う。
Twitterやめてなにやってるかというと、ポケモンユナイトをしている。いまエリートランクです。意味なくね?て、まあ、思うんですけど、けどTwitterはやってるとイライラしてきて健康に悪い一方で、ポケモンユナイトはほんと競技みたいなところあるから、こころをからっぽにして(頭ではなく)、目の前のことに集中できて楽しい。社会人になってからここまでなんの陰りもなく楽しいと言えたこと無い。小説とか仕事の勉強とか人と遊んだりとかって、もちろん楽しいし意味があるんだけど、意味があると人生に対しての重みが心に負荷になるから疲れるんだよな。けどゲームってマジで無意味だから。無意味だから心に対する重たさが無い。だから良い。同じ理由で料理も好き。
ちなみに小説も書くのをやめた。小説はめちゃくちゃ重たいから。体積はないのに重たさだけがあるみたいな。8月の頭に書くのやめようと決心して書かずにいる。 けどそれと同時に『ライディングの哲学 書けない悩みのための執筆論』を読んでたりもしてる。これはどんな本かっていうと書くのが苦しいひとたちが自分たちの苦しみを持ち寄って対談したり、試した工夫みたいなのを語り合ったりしてる。その中で良かったのが書かずに書くという手法で、執筆するぞ!てやるとガチの文章しかかけなくて手が止まるんだけど、これは執筆じゃなくてメモだから〜と言う気持ちで執筆のメタ情報とかも含めて書いていくと書ける、みたいな話。それに影響されつつ、メモは書いてる。いちおうプロット立ってるからね。
あとは『使える力が身につく DNSがよくわかる教科書』を読んでる。最近DNS触るんだけどほんと分かんなくて、そのときにJPRSさんの社員の方が出してる研修資料がほんとにわかりやすくて助かった。んで、本もあるっていうから買って読んでる。ほんまにわかりやすい。知らなかったんだけど、お名前.com とかでネームサーバー情報の登録をやると、そのネームサーバーをお名前.com (とか)がレジストリのデータベースに登録してくれるんだな。おれはてっきりドメインの管理会社が登録ドメインのDNSを全部持ってて、そこからさらに顧客のDNSにとばしてるんだと思ってた。勉強になった。
あーあと実は家を買った。なのでお仕事頑張りましょうね〜って感じ。いまの会社はだいぶ規模小さいんだけど、けど大きな仕事はしてるので、仕事の大きさとか今後の成長に耐えられるようシステムを作っていかないといけない。がんばるぞ〜。
最後、今日誕生日だったのでキーボード買った。分割です。ひかる。
2021.1に読んだ本とか
はい感想。
2021.1に読んだ本
『素晴らしき洞窟探検の世界』
洞窟探検家の吉田勝次さんの本。いま書いてる小説で洞窟のシーンがあるので読んだ。
まあ一応読んどくかー程度の気持ちで読み始めたんだけど、専門用語とか洞窟内での感覚の変化とかなかなか想像では分からないところが書かれていてよかったなと思う。洞窟探検家の思考とか、こういうことには気をつけてるとか、何度も洞窟に入ってる人じゃないと気付けないポイントが沢山あって良かった。
あとはねー、著者が何度か死にそうになってて妙にはらはらした。とにかくこう狭い穴に入って出られなくなる。それでも探検大好き、みたいに言ってるから、この人が痴呆症になったら介護者は大変だろうなあと思う。気がついたら用水路で全裸になってそう。
『化け者心中』
文政期の江戸で鬼による役者殺しがあり、その犯人を追うというもの。主人公は鳥売りで、バディ役を務めるのが引退した元女形、容疑者たちも一癖二癖ある人ばかりといった感じでとにかくキャラクターが立っていた。容疑者6人が集まって紹介されるシーンはほんとにキャラクターの混乱がなくてすごかった。
テーマ的にも人と鬼とはどうちがうのか?とまとまっていたし、そのテーマに沿った謎解きの運び方も良かった。あーあと地の文がやたら良かったな、キャラクターに似合う描写がうますぎる。
『カトク 過重労働撲滅特別対策班』
著者は『狭小邸宅』の新庄耕。この著者はブラック企業の描写がめっちゃうまい。あと地の文がものすごく読みやすい。
『狭小邸宅』は転落ものとしてはちゃめちゃに良かったが、本作は短編連作というか、短い話を集めた感じでひとつひとつ読みやすかった。ちょっと技巧的な話としては、第一話を消化不良で終わらせつつ最終話で回収するという手法がとられていて、こういう構成はいいなと思った。
『サーラレーオ』
引き続き新庄耕。群像で掲載された作品で、実際純文学っぽかった。あんまり筋らしいものもなくて主人公の姿を描いてる。前に読んだ『カトク』とかでも短編ひとつひとつで短いながら印象的なキャラクターを作るなあと思ってたけど、長編一本使って書く、ということもしててははあと思った。もともと転落ものがうまいと思ってたけど、これはピカレスクロマンと紹介されるだけあってかなり下層まで転落してる。
ざっくり内容を書いておくと、ヤクザものの主人公が日本で旧友とマリファナの生産をしていて、けどなんやかやあって警察に追われてしまい国外逃亡、タイに不法滞在しながらまたマリファナを売って糊口を凌ぐ、しかし一緒に住んでいる現地の女性の様子がおかしくなり、みたい感じ。
キャラクターを描くもの、といいつつもかなり構成がうまかったなと思う。前半は純粋に悪漢を描いていてほとんど主人公に肩入れできないんだけど、ちょうどお話の真ん中で初めて主人公の親族についての描写が入る。そこから主人公の描かれ方が多面的になっていき、いろんな面が見えてくる。旧友と再会して光が見えそうになるも、やっぱりそううまくはいかずに全てがぶち壊されてしまうのとか、ああ、とため息を漏らさずにいられないやるせなさがあった。
キャラクターが印象的、みたいに書いた『カトク』でもこういう構成は試されていて(カトクは労基署がブラック企業の悪い人を捕まえる話なんだけど)、悪役に当たる人を序盤は悪の面ばかり描きつつ、後半でその人の背景を描いて立体感を持たせるということをしている。キャラクターをどう描くか、というのは脚本術ではキャラクターのアークという言葉で議題として上がることが多いけど、こうやって前半後半とでかなり明確に書き分けているのはあまり記憶にない(実際はあるんだろうけど他にも)。こういうのは『工学的ストーリー創作入門』でキャラクターの三次元として紹介されていたりしていて、自分もほほーんと思っていたけど、こうやって活かしていくのかと膝を打った。自分はもっと短いシークエンスでこれをやるのかなと思っていたが、たしかにストーリー全体を使ってあげた方がエピソードの印象をまとめることができてそれぞれのエピソードが強くなる。それは物語の停滞を防ぐ意味にもなる。ハハー勉強になりました。面白いですね、小説って。
『ニューカルマ』
新庄耕。たぶん『狭小邸宅』好きな人なら好き。新庄耕の真骨頂ってかんじの展開のさせ方で、かつ『狭小邸宅』のエンディングからもうひとつ転調させた感じになっている。新庄耕の作品はどこまでも転落していく感じがほんとうにいい。主人公は転落しながらも自分のやっていることにどうにか希望を見出そうとするんだけど、そのなかでまた絶望させられたりして、それがもうね、読んでても少し虚無感を抱いてしまった。
このかんじ、わりと韓国映画に近いなとも思っていて、だから新庄耕好きなんだろうなあと思う。新庄耕のノリと、あとコメディをおれはできるようになりたい。前半はコメディ、後半は新庄耕みたいなことをして行きたい。
『清洲会議』
信長の死の瞬間か清洲会議の終わりまで、織田家家臣たちが後継者を選ぶために駆け引きする様子が描かれている。脚本家だからか、地の文はほぼなく、日時と状況を示す一文が各章のあたまにつく感じの作りだった。コメディを読みたいな〜と思って読んだんだけど、別に笑えるとは思わなくて、キャラクターが立ってたな程度に思った。滑稽なキャラクターとして織田家次男の信雄がいて、妙に町田康っぽい語りだった。上の世代だとこういう人がわりといたりしたのかな、と思うなどした。
『肉食の思想』
比較文化的な?感じに日本と欧米の文化を比べていく的な本。それが食事のスタイルを発端に自由平等の思想まで含めて語り始めるのが面白い。
最初はヨーロッパで畜産と肉食がされ日本ではそれがなされなかった理由を気候面から説明しており、面白かった。さらにその家畜への態度が動物愛護のはなしにつながったり、差別意識の問題や思想的に異なる相手への態度にまで影響しているのではないかと論じられていて、まあ正直それは推測の域を出ないのではと思うところもあったけど、全体として面白い本だった。高温多湿の日本では米を育てることが可能で、かつ米は少ない土地でめっちゃ獲れる&連作可能であったため、土地と人の繋がりが強くなり先祖信仰が生まれるとかは面白い。ヨーロッパは休耕地を作りながら麦の生産をし、さらにはそこに家畜を放牧するための広い土地を用意しなければならないとなると村単位で耕地を管理する必要が出てくるため、先祖代々の土地みたいな感覚が薄れるらしい。なるほど。
『宇喜多の捨て嫁』
めっちゃ面白かった。描いているのは宇喜多直家の生涯なんだけど、つくりとしては宇喜多直家とその周囲の人々に視点を散らばらせての連作短編。戦国の梟雄として名高い宇喜多直家らしくピカレスクものになっているんだけど、しかし色んな視点で描かれることで何が悪とも言い難い、あるのは信念だけみたいな、そんな感じになってる。
あと、ミステリーというか、思いもよらぬ伏線の貼り方をしていて驚かされるところもあって、全編通して面白く読めた。
あとはなんだろ、連作短編で視点人物を5人くらい用意しながら、それぞれにキャラクター付けをちゃんとされていたのがよいなーとか、作品を通して使われる小物があったりってのも良かったなーとか、あとなんすかね。無想の抜刀術はかっこよかった。ラストも良かったし。あと視点人物への圧の掛け方って面で「匂い」とかまあオーソドックスだけど戦国らしい腹の読み合い探り合いだとか。
そんなかんじすかね。ほんとに面白かったのかな?面白かったんですけどね。おしまい。
『天久鷹央の推理カルテ』
医療知識自体は面白かったんだけど、ラノベっぽいキャラクター造形で気の狂った母親が出てくるから藁人形論法って感じで嫌だった。母親相手にしか強い態度に出られないのは読んでてキツい。と、いいつつこれかなり売れてるらしいので、ふつうにドラマとしては面白いんだと思う。おれはダメだったというだけ。高校生のころの俺なら喜んで読んでたかもしれない。
まあでもなんというか、自分のダメなものが分かったのは良い。この本みたいな女性蔑視をせず、かつライトにキャラクターっぽく読めるものってどんな小説になるんだろう。『ゴールデンカムイ』とかはそういう意味で次世代っぽい漫画だと言われてきたし、自分も好きなのでなにか参考にしたいが。。
『これは経費で落ちません!』
作者の青木祐子さんはもともとコバルト文庫で書いてた人らしく、文章が軽くて読みやすい。あと、地の文でキャラクターの解像度を上げる作業みたいなのをよくやっている。たとえばこの人のこんな特徴からこんなことが読み取れるとか、何気ない一言からキャラクターの意図を読み取るとか。こういうのって男性向けラノベでも良くある手法で、たとえば昔のラノベだけど『狼と香辛料』とかはほぼ全編ヒロインの行動を読むことで読ませてる節がある。そういうのって小さな謎解きみたいだし、キャラクターを理解することって他人を把握してやったみたいな暴力的な快楽なので、面白い。
ただ問題点として、これもともと暴力的な手法であるから、たとえば男性向けラノベでは女性キャラクターを都合の良いように理解するみたいな、面白いけど不誠実だよなあみたいなことになりやすい。んで、この『これは経費で落ちません!』の良いところは、そのある種暴力的な快楽を伴う手法を、わりと誠実に使っているというところだと思う。たとえば、作中にサバサバ系女子みたいな人が出てきて「わたしは男っぽいから損してる」みたいな発言を何度もする。これってちょっと意地悪な書き方だなとも思うんだけど、途中でその人が結婚してそういう発言がなくなる。単に楽しい人になる。
嫌な人に感情移入させるメジャーな方法として、新庄耕がよくやる「序盤に嫌な人の嫌なところを一面的に描きつつ後半でがらっとその人の被害者的な面を出す(人物の立体感、キャラクターのアーク)」みたいなやり方があるんだけも、それとは別にこの作品みたいな、人って変わるよね、という描き方があるんだなあと勉強になった。これはこの作者の人間観が出ていてとても面白い。それに、なんというか、視座が自然でよい。おこがましくない。だからすごく好きなんだなと思う。
ここからは自分の話だけど、誠実に書くというのがおれの中ですごく大きな問題になってて、たとえば人物をどこまでデフォルメするかとか、とくに女性のキャラクターだと難しくて、書けねえなとなることが多い。ゆえにこの作品は俺にとって意味のあるものだったなと思う。よかった。7巻くらい出てるみたいなので読みたい。
『抗えない男 〜警視庁特殊能力係〜』
『これは経費で落ちません!』が良かったので、おなじオレンジ文庫の売れてるやつを3冊購入したんだけど、そのうちの一冊。ブラザーフッドものとでもいうのかな、顔の良い男がたくさん出てくる話だった。
特殊能力ってかいてあるからヒロアカみたいなもんか? と思ってたんだけどそういうのではなくて、記憶力がめっちゃいい人が一人いて、街を歩いて指名手配犯を見つけるってだけ。今作は実はシリーズの四作目らしく、主人公(記憶力がすごい)の所属する係に他の刑事(記憶力がすごい)が異動してきて、優秀なんだけどなんか裏で暴力団と繋がってるぽいな〜みたいな展開になった。
あんまりこの作品で表現される思想には共感しないのと、あと指名手配犯をポンポン捕まえるので、なんというか指名手配犯多すぎだろみたいな、この国治安悪いな〜というか、けどそういう描写もなくて設定緩いな〜と、そういう気になるところはあった。けど主人公の気持ちの流れがかなりスムーズだったり、こういう女性向け萌え系(なんで呼べばいいんだろ)らしいキャラの味付けはあったのかなと思う。男同士の絡みとかね、好きなのは分かる。
あとはやっぱ読みやすさかな。あんまり切迫したものがないし、気軽に読めるなと思う。
2020.12に見た漫画・映画・ドラマ
『殺人者の記憶法』
。韓国映画。おじいちゃん殺人鬼がアルツハイマーにかかってしまい、記憶が消えていく中で新しい殺人鬼とバトルする話。信頼ならない語り手もので、どこまでが自分の犯行なのか分からなくなったり、過去の記憶が改竄されていたりの展開に振り回された。
題材になった事件が『殺人の追憶』と同じものらしく、タイトルも意識してるのかなーという感じ。韓国映画によくある前半コメディで後半シリアスな構成も良かった。おじいちゃんが筋トレしたり張り込みしたりするのも面白かった。
以下、ネタバレ気にせず詳細に語ります。
良かったな〜と思うのは前半のシュール?なコメディと、あと並行してサスペンスをやる技法。ざっくり話を書くと、主人公は連続殺人者の獣医なんだけど、アルツハイマーを発症して記憶が欠落しはじめる。そのせいで仕事もままならなくなるし、徘徊老人みたいになっちゃう。
そんな中で街では連続殺人が発生。主人公が霧の中で車を運転していると、偶然その殺人鬼の車に追突してしまう。そのときトランクが開き、そこには血の滲み出たボストンバッグが入っている。あ、こいつが殺人鬼だなと思ってるんだけど忘れてしまい、後日娘がそいつと歩いているのを見るかして思い出す。娘を守るためにあいつを捕まえるか殺すかしなければ! となる。
とはいえ主人公はアルツハイマーのおじいちゃんだからぜんぜん弱い。筋トレしようとして脚を痛めたり(切実)、昔のようにリンゴを素手で握りつぶそうとして出来なかったりする(そしていらついてリンゴは食べちゃう)。あと張り込みをしている最中にペットボトルにおしっこしたことを忘れて飲んじゃったり。スマホをフライパンで炒めたり。なんかそんなことばかり。
ここらへんの、シリアスな笑いがかなり良かった。あと同時に記憶を忘れるせいで殺人鬼にいいように扱われてしまったり、娘を仇と勘違いして殺そうとしてしまったり、殺人鬼と娘の結婚を許してしまったりなど、サスペンスしてるのも良かった。
後半はさらにシリアスになり、主人公の過去編や娘の話、最後の殺人、知り合いの刑事のドラマなどもりだくさん。かなりよかった。
『観相師』
韓国の王朝歴史もの映画。ソンガンホ主演で序盤は成り上がりもの、後半は歴史ものって感じ。韓国の歴史に詳しくなった。
『シグナル』
韓国ドラマ。過去と通信できる無線機を使って未解決事件を解決していく刑事もの。面白かった。なんかまだ続きのありそうな終わり方だなと思ったら続編があるらしい。楽しみ。
漫画は多分チェンソーマンとか進撃の巨人とか読んだ。巨人は次で終わっちゃうらしい。全然終わりそうにないけど。まじか〜〜〜。
2020.12に読んだ本とか
はい感想。
2020.12に読んだ本
『隠された奴隷制』
めちゃくちゃにいい本だった。『奴隷船の世界史』もよかったけどこれもほんとによかった。
大西洋奴隷貿易がどのように資本主義の形成に関わってきたのか、そして奴隷制度に成り代わった資本主義とは本質的にどのようなものなのか、私たちが生きる新自由主義とは資本主義からどう進化してきたのか、というようなことが書かれている。直前に大西洋奴隷貿易についての新書を読んでいたので奴隷貿易で蓄えられた資本により資本家が生まれ資本主義(資本だらけだな)が成り立つというのは知っていて、しかし奴隷制という文脈をしっかりと読み取った上でマルクスが資本主義を批判していたとは驚きだった。
あと現代日本の新自由主義がいつからどんなふうに始まるのかとか、昨今の自己責任論がどのように求められてきたのかみたいなのが知れたのも面白かった。数年前に流行ったアドラー心理学とかは80年代(?)の自己啓発セミナーにもあった考え方で、新自由主義の流れとも同調してる。おもしろい。あーあと、資本主義の後についても論じてて、どっかの偉い人が原発事故とかについて言及してたのも(自分の中で繋がるという意味で)良かった。
次は労働問題系か、宗教史か、巨大災害か、共産主義か、引き続き資本主義・奴隷問題の本を読みたい。絶望と信仰の文脈で資料は読んでいきたくて、どのように社会が人間性を奪ったり搾取をしてきたのかという本か、人の信仰にまつわる本を読みたいという感じ。
とはいえ、並行して『化け者心中』『告白』も読んでるのでそちらも読みたい。近世・近代日本の小説です。どっちも面白い。
『82年生まれ、キム・ジヨン』
2016年に韓国で出版され、日本でも去年ベストセラーになってる小説。韓国で女として生きるとはどういうことなのか、みたいなところを描いている。とはいえ、お隣の国の話なので描かれるのは日本にもある景色。
たとえば主人公は三人兄弟の真ん中。姉、自分、弟という感じなんだけど、何かにつけて弟が贔屓される。たとえば部屋の割り振りとか、ご飯の出され方とか。俺も姉ふたりいる末っ子長男なのでこういうのにはすごく心当たりがある。俺も部屋は一番大きかった。大学も姉らは地元でバイトしてたのに、俺だけは東京で学費も払ってもらっていた。
ほかにも通っている塾でつきまとわれるとか、会社で盗撮されるとか、そういう性被害に遭遇する描写がある。びょう俺も前職でセクハラを見聞きしたことがあるし、そういうときに指摘したり、被害者に正しい態度を取れなかったなと思う。ていうか、いまでも自分の行為がセカンドレイプになることがあったりもする。
この本は内容としては男女差別事例を追いかけているようなもので、いうてしまえばこういうことがあるなんてみな知ってるし、事例集みたいなものなんだけど、だからといって「これ知ってる」と既知のコンテンツとして消費され終わらないのは、こういう体験が決して消費され得ない・コンテンツではないからということなんだろうなと思う。同時にちゃんと毎回むなくそわりーなと感じていかないとなとも思う。
『告白』町田康
明治の初頭に実際にあった河内10人斬りという事件を題材にしている。とはいえ時代物というか町田康というかんじで、ふつうに現代の言葉も出てくるし、全編とおして素っ頓狂な調子だった。
簡単に内容について書いておくと、幼少期からなんとなく周りと馴染めなかった主人公が、10歳そこそことかで人を殺してしまい、その罪悪感から身を持ち崩す話。そのどう馴染めないのか、なにが違っていて周りと馴染めないのかみたいなところがかなり共感できて良かった。具体的に書かれているのは博打や飲酒や喧嘩や借金のことばかりで主人公もグダグダいらんこと考えるばかりでめちゃくちゃ怠惰。真面目に労働したところでどうせいつか人殺しが露見して捕まると思って畑仕事もできません、と言ってるけどいや単に働きたくないだけちゃう? みたいに思うところもある。人を殺してなかったとしてもなにか別の理由で働かなかったでしょ、と(自己責任論者の理解)
後半からは仲の良い人ができてさまざま面白くなっていき、終盤はそれまでの滑稽が消えて妙なドライブ感と共に破局を迎えるのが良かった。町田康は町田康にしか書けないものを書くなあと思わされる。
『カンディード』ヴォルテール
18世紀中頃のイギリス文学(?)で、ヴォルテールの作品。主人公が18世紀の社会で新世界旧世界を問わず諸国を渡り歩き、各地で苦難に遭うという内容。当時は最善説(予定調和説)が普及してるんだけど、それに対してヴォルテールがいや世界クソでしょ、というために書いている(もちろんそれだけではないが)。作品の中ごろで主人公がひとりの奴隷と出会い彼の話を聞き、最善説なんてものはあり得ないのだと悟るシーンが有名。たしかに最善説について『すべてが最悪のときでも、これが最善だと言い張る執念のことだ』と言うのはちょっとかっこいい。くわえて、ヨーロッパの生活が奴隷の手足を一本ずつ切り落とすことでなりたっている、というのも衝撃ではある。
あとはラストの「議論とかするひまあったら働きましょう」も良かった。しかし労働って何なんでしょうね。
『パンの科学 しあわせな香りと食感の秘密』
パン作りにまつわる科学的な解説がされている。パン作りの各工程でどんな化学反応が起きているのかと言うことについて解説されていて、錬金術は台所で生まれた、という言葉そのまんまのような内容だった。とくに発酵の仕方については面白いなーと思わされた。今でこそドライイーストを使って簡単に発酵をさせることができるけど、イースト菌が工業的に生産されるようになったのは19世紀からのこと。それまでは小麦がもともと持っている酵母を使っていたらしい。ただ自然と小麦に付着する酵母なんてドライイースとと比べるとカスみたいなもんだから、小麦粉と水を混ぜたものを2日くらい置いておくことで酵母を増やし、それを種としてパンを作ったらしい。そんなことしたら細菌とかも増えるのでは? と思ったが、酵母が増殖する過程で培養液(パン種のこと)のPHが低くなり、細菌は増えなくなるらしい。そんなおあつらえ向きの酵母が小麦に付着してるってのがまあちょっと出来すぎた話のように思えるが、実際そうらしい。農場主仮説を疑ってしまうが。。
そんな感じ。他にもパンの本(レシピ本)買ったので、いろんなパンを焼きたいな〜と思う。焼きたてってめちゃくちゃテンション上がるしね。馬鹿みたいに食べちゃうけど。あと馬鹿みたいにパン食べるとむちゃくちゃ喉乾くんだよな〜何でだろ? 塩分多いのかな? 取り留めなくなってきたのでおしまい。
『100分de名著 ブルデュー ディスタンクシオン』
ざっくり内容を(振り返りの意味を込めて)まとめておくと、
人が何かを好きになるとき、「偶然その対象と出会い『稲妻の一撃』に打たれて好きになる」とするのはわりと自然な考え方だけど、実は幻想。好きになるためには豊富な下地が必要で、その下地は遺産として受け継いできたものに他ならない。つまり出身階級や学歴によって規定されている。この「価値判断の傾向性」のこと(そして価値それ自身のこと)をハビトゥスと呼ぶ。
またハビトゥスは単に親が音楽好きだから子供も音楽を聴く、と言うだけではなく、たとえば「子どもの頃にピアノをやっていたことで努力して技術を身につける経験をし、その後もあらゆることに努力する発想が持てる」みたいなこともハビトゥスとしている。
このように、家庭や学校の中で得られたハビトゥスによってその人の所属する集団が規定されていく。
同時に、何かを好きだと言うことは、そのハビトゥスの価値を高め、ひいてはそのハビトゥスを選んだ自分の社会階層を上位のものにしようとすることですらある。
自分の趣味趣向が社会階層によって規定され、さらに自分の地位を高めるために利用されていると言われてしまうとなんというかこう傷つくぜ...と思った。ただ誌面で言われている「自分のやっていることを台無しにされたような気分になったのであれば、自由の神話にとらわれている」ような状態かと言われると微妙に違う。自分が小説の好みが金のない知識階級っぽいと言われるのは別にいいんだけど、この問題がたとえば正義の問題にまで及ぶと考えたときに、すげー辛くなるって話だ。大卒だけど資本家にはなれずかつマッチョな思想にも乗れなかった自分がリベラル思想に走るのは納得するが、それをもとにたとえば募金したりのような社会正義をなそうとすること自体が自分の階級を押し上げるためだとするのはけっこう苦しい。じゃあおれがもし資本家の家庭に生まれていたら募金みたいな馬鹿なことはしなかったのか、まあしなかっただろうなとも思う、そりゃそうなんだけど、まあ別に正しいことである意味なんて別に無いけど、世の中がマシになるために自分のできる範囲でやってることがエゴイズムでしかないと言われるのは、なんだかなとなる、べつにエゴイズムだろうとやるんですが、エゴイズムだからこそ続けられるんだろうなとも思うし、何が言いたいのか分からんくなってきたな...。
まあそんな感じ。ここまで書いてあれですけど、ブルデューの思想が還元主義ではないというのが若干わからなかったり、解説者の言う「自分が自分に抱く幻想から離れられるから自由でいられる」、決定論ではない、とするってのもよく分からなかった。自分のクラスタを意識して初めてそれ以外についてやってみよかなと思えるってことかな? もしくは他者の合理性について考えられるてことかな? そんなかんじ!!!!!
なんだろ、まあこれ読んでナイーブに傷つくなとか言ってんのは馬鹿みたいな話ではあるんだけど、人間の思想みたいなものが所詮は階級闘争でしかないとするとどうやって社会としての連帯をもてばいいのかみたいな気持ちがあった。それについては最後の章で著者が自分の意見として触れていてよかった。
あとは絶望と信仰の問題として、絶望に対抗する方法として強かな合理性というのがあるんだろうなとも思った。全部が全部、なにかを一途に信じる、希望を抱くことだけでやっていくのではなくて、もっと生活に根ざした形での適応がありうるんだろうなと思う。もちろんそれが100点の回答ではないにしても。
『最悪の事故が起きるまで人は何をしていたのか』
めちゃくちゃデカい機械が爆発する事故60件について延々書いている本。まあほんとそれだけなんだけど、冒頭から液体二酸化炭素のタンクが爆発して周囲にいた人を吹き飛ばしさらにはタンクの置かれていた部屋の天井を突き破り上の階にいた研究者をかちこちに凍らせた事件についてかなりドライヴ感のある文章で書かれていて面白かった。なんか、この本は筆者のかきぶりがよくて、たんなる事故なんだけど臨場感がすごい。また筆者の教養も高い。すごく気に入った一節をあげると、
一八九三年、ラドヤード・キップリングは「マッカンドルーの頌歌」と呼ばれる詩を出版している。その詩のなかで彼は「蒸気の歌」をうたう詩人を与えてほしいと神に求めているが、スリーマイルアイランドは自分で自分の歌をうたっていた。創業開始から一年間、毎月のようにタービン建屋内の弁が開いて余分な蒸気を逃すたびに、排気パイプはひゅうひゅうという大きな音をあげていたのだ。
めっちゃかっこよくないですか?スリーマイルがすごくこう、大きくて神に近い存在だと感じさせる。神に求めないといけないことを自分でやってしまうという禁忌感もあって凄く良い。
こういう文章からもわかるけど、複雑性の増して人には扱いきれなくなった機械って神っぽい振る舞いをするんだよなあ。でかすぎるいろんな機械に祈りを捧げながら使うみたいなの、ポストアポカリプスにありそうっちゃ有りそう。もともとそういう意図で読み始めた本なので、楽しかったです。おわり。
2020.12に見た漫画・映画・ドラマ
『チェンソーマン』最新刊
『ゴールデンカムイ』最新刊
『ハウルの動く城』
また見た。日常会話でもハウルのセリフを使って喋ってしまっている。ありがとよー、とか。
『ハーレイクインの華麗なる覚醒』
軽いノリも良かった。ヒール履いてアクションするのがカッコいい。ぴちぴちのパンツ履いて蹴りまくるのも良かった。 主演のマーゴットロビンのアクションが本当に良い。新体操でもやってたのかな? アイトーニャも良かった。音楽が若い女性アーティストばかりらしい。フェミ映画。良い。
『椿の花の咲く頃』
2019年の韓国ドラマ。めちゃくちゃよかった。
正直最初の3話くらいはこうセクハラ描写とかがしんどくて見るのやめようかと思ったんだけど、最終的に最高になった。
ジャンルとしてはロマコメで、しかしそこに韓国映画っぽいサスペンスが挟まれてる感じ。親子関係とか貧困家庭とかについても描かれている。
よかったのは役者の演技。最初の数話は多少不安定な気がしたけど、中盤以降はヒロインも独り立ちし、主人公についてはもうこの役者さん以外では演じられないのでは? というくらいしっくりきた。あとヒロインの母親役をやっていたイ・ジョンウンさんという役者さんがすごい。『パラサイト』とか『愛の不時着』にも出てるらしいんだけど言われなかったら気がつかなかった。役が広すぎる。
最終的には硬派なクライムサスペンスみたいな雰囲気も纏いだしたけど、基本的にはコメディに軸足を置いていて、シリアスになりそうなシーンでも気持ちよく笑わせてくるのが見ていて心地よかった。
『ミッドナイト・ランナー』
これ面白かった。警察学校で生活する学生のバディもの。カン・ハヌルとイテウォンクラスの主人公がダブル主人公してる。
『サバハ』
韓国の新興宗教もの。宗教研究家の主人公が新興宗教の正体を暴こうと奮闘するうちに女子中学生の殺人事件にいきあたり、みたいな話。冒頭のアメリカン田舎ホラーっぽい雰囲気とか、主人公がTRICKの上田っぽい胡散臭さだとか、東学やキリスト教などの韓国の宗教事情を反映させた内容とか、あとは日本に植民支配されたことなどが扱われていてかなり面白かった。韓国の宗教系ホラーサスペンスといえば『コクソン』だけど、『コクソン』よりはノリやすいエンタメをしていたのでおすすめ。
韓国の映画はこういう社会的なモチーフの取り入れ方がとてもうまくて好きだなあと思う。国が若いから社会問題にたいしての意識が強いのか。ポンジュノも資本主義についてずっと撮ってる。韓国はかなり急激な発展を遂げていてそういう資本主義についてのテーマは大きいだろうし、一方今回の東学とキリスト教って題材にしても「韓国の近代化の中で西洋科学と共に知識階層に受け入れられその後日本の占領下で反日活動を支えたキリスト教」というのが韓国の歴史の中で大きな意味を持っていて、あーいいなーと思う。社会が持つ文脈がまだ残ってるんだなというか。
以上。。
日本に帰ったらやりたいこと、帰っても続けたいこと
日本に帰ったらやりたいこと、帰っても続けたいこと
いま考えている日本に帰ったらやりたい、帰っても続けたいこと、いざ日本に帰ったら絶対忘れそうなのでメモ。
帰ったらやりたい
カナダだからやれない、と言ってたこと、今なら日本で堂々できる。(日本でもきつかったけど、今となってはハードルなんてないものと思えるよなてこと)
・息子関連
- 公園で息子の友達つくる
- 公園で遊ぶ
- よーよと遊園地とか美術館とか図書館とか行く
- 幼稚園に通わせる
- Udemyでネットワークの勉強
- 資格をとる FEとか
- 英会話する
- TOEICうける
・小説関連
- 書きたい人の集まりにでる
- シャラップ&ライト主催
- 文フリ出る
- 毎日文章書く
- 小説を買う
- 文フリに出る
- 小説の学校に行く
- 小説書く環境整備
・元々の趣味
- カラオケ
- 映画
- ナイトクローラー見る
- アイトーニャ見る
・新しい活動
- 月一くらいで新しい活動する
- 週20Hの活動を見つける
- 健康ランド行く
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こんなもん。ヒャー。
カナダから日本に帰ると決めてからの心の動き
カナダから日本に帰ると決めてからの心の動き
カナダから日本に帰るぞ! と決めて以来、なんだかすごく心がざわついていて、それが面白かったので記録する。ツイッターで喋ってたことを転記してるだけです。
「元の自分に戻る」という不安
日本に帰るぞーとなって以来なんか心の均衡が崩れており、なんだろなと考える。別に崩れるってほど崩れてはないのかな。なんか感情を掴み損ねたまま流れてしまいそうなので過剰な言葉で言ってる感じはある。
うーんまあ最初に思ったのは「日本帰ったらなんでもできるな!」ってことで、例えば勉強会に出るとか、美術館とか図書館にいくとか、あと息子といろんな場所に行くとか、公園に行って息子の友達を作るとか、そんなこと。
ただ同時にそれらは「日本でやっていて、カナダにきてからできなくなったこと」であって新しいことではないんだよな。以前できたことをこれから嬉々としてやって、それまあ一時的に楽しいだろうけどすぐ飽きるに決まってんなみたいに思ったら急にこう違うんじゃねみたいな感じがでた
まあ実際はなまるうどん行けるのとか、日本の食材を好きなだけ買えるのとかはめっちゃ嬉しいんだけど。あと鍋な。鍋ほんとやりたいしな。まあでもそんな感じでやったことあることばかりなので、なんだかね
てかまあ、これ不安なんだな。カナダ来る前に自分が戻ってしまうんじゃないかって不安があるんだと思う。カナダ来る前ってなんかすごく自信がなくて小説も5年くらい書けてなかったし家庭内の環境も悪くて、それがカナダきてからは結構いろんなものが上向いたので、閉塞感がまた出るとやだなと思ってる
カナダきて、日本人とマジで二年住んで一回も会わないような人種の比較的多様な環境でいろんな評価軸が変わって、例えば外見とかについても俺はカナダに来てから自分の顔がだいぶ好きになったし、なんか知らんが自分のことを好きだなと思えるようになった感が強い。
やっぱちっさい子供つれてるとカナダではみんなからニコニコされるし、こんだけ英語喋れなくても地域社会の中でなんか認知されてるんだなみたいな感覚があった。そういう意味で、わりと意外なことではあるが、カナダから良い影響を俺は受けていたと思う
まじで驚くほど性格の良い人で満ち溢れてるからなモントリオール、聖人か? って思う人ばかり。もちろん嫌な人もいるんだろうけど。なので、まあ、日本帰っても自分は元気にやっていけるかなみたいなところはある。いや、まあどうせまた家に引きこもってるだろうからあんまり関係ない気もするが。
で、そういう「以前の不調状態の自分に戻ってしまうのではないか」という心配があって、それが「カナダは新しいことが多くて充実していたから」なのでは? と思ったりすると、じゃあ日本帰ったらカナダのように新しいことで周りを満たさなきゃ! という重圧になり、
「では俺のやりたいこととは...?」となる。俺は新卒で速攻結婚してすぐ育休とりそしてカナダ渡航したのでまともなキャリアがなくて、あんまりキャリア的な意味でのやりたいことってのが分かってない。IT職は楽しいから続けたいけど。ドメインがわからんみたいな。
まあ、「以前の自分に戻ってしまう」みたいなのは杞憂かもしれんし、杞憂じゃないかもしれん。知らん。けど不安があるんだな。不安で焦ってるんなら、別に新しいことしようとしなくても良い。英語はもったいないから続けたいけど。 まあ、カナダ楽しかったんだな。そういう意味では良い二年だった、モントリオールは良い土地だった、それで良い。みんな優しかった、ちょっとおセンチになってんだな。いやまだ半年以上カナダ生活残ってるんですけどね。
働きたく無いと言う気付き
上みたいなことに気が付きながらも、翌日、まだ体調が悪かった。スマホを手放せなくて、何か書かないと、と言う気持ちになっていた。何か整理しないとだめ、みたいな感じかな。すごく気分が悪かった。この三ヶ月くらい自分はかなり調子が良かったので、久しぶりにこの感じきたな...と思ってた。
同時に、調子良かったのってなんでなんだろと考えてみたら、資本主義とか宗教とかについて考えたり、そう言う本を読んだりというのが楽しかったんだと気がついた。で、下記のツイート。
悟りを開いた、俺は仕事とかキャリアとか金についてマジで悩みたく無いし考えたくも無いんだ、人の上に立つとか能力を高めるとかについて考えると体調が悪くなる、おれは資本主義について考えたり宗教のことについて考えたりしていたいんだ!!!
適度に仕事をして金を儲けずにしかし本を買える程度の金は稼ぎたいがそれで色んなことを勉強したいのだ。。最近調子良かったのはこの先何年かは今の会社でやるしか無いなと割り切れていてキャリアについて考える余地がなかったからなのだ、選択肢が急に出てくるとアレコレ考えて体調が悪くなる、悟った
日本に帰るとなって色々と選択肢が出てくると、妙な「やらねば」感がでて苦しくなる。だからまああんまりそういうことを考えずに、いまやりたいことだけをやっていこうという気持ち。もちろん金稼いだりはしなきゃならないんだけど、けど将来のことを取り越し苦労するのはやめたい。割り切っていこうという気持ち。社会に迎合せずに生きるのって労働者やりながらだと結構難しいとも思うんだけど、でもまあ、気がつけたので、手を抜いて生きていきたい。
以上!!!
2020.11に読んだ本とか
はい感想。
2020.11に読んだ本
『ゼロから分かる奴隷の歴史』
Wikipediaコピペしたような本だった。32円くらいで売ってたら買っても良かった。
『奴隷船の世界史』
めちゃくちゃいい新書。大西洋奴隷貿易の歴史をヨーロッパ、カリブ諸島、南北アメリカの視点から書いてて面白く、加えて奴隷貿易商がどんな人物像をしていたのか? みたいなところにもデータでもって解説を入れており大変よかった。
『逃走作法』
東山彰良『逃亡作法 turn on the run』を読んだ。すごく久しぶりに小説読んだな〜みたいな気分になった。いやちょっと前に三体読んだりもしてるんだけど、『逃亡作法』は文体が良くて、文章を読む楽しさがあり、小説を読んだぞ、と思わされた。 とくにこう、本筋と関係のない語りの饒舌さとかがよかったなと思う。キャラクターがジョーク本読んでてその中からいくつかのジョークを紹介してくれるとか、変な哲学を語り始めるとか、変な行動をしているとか、そういうのってこの物語自体には関係ないんだけど、印象としてはめちゃくちゃ残ってて、物語に切り取られていないキャラクターの大きさを感じさせてよかった。東山彰良の他の作品も読んでみたいなと思わされた。この人はkindle読み上げよりも目で読んだ方が面白いんだろうな。
『狭小住宅』
めっちゃ良かった。ジェイクギレンホールが主演してた『ナイトクローラー』の主人公を真人間にした感じ。都心で戸建てを売る不動産営業の話なんだけど、序盤に異様な雰囲気作るのがうまく、また何者でもない自分みたいなテーマが刺さりやすくて良かった。構成的にもちょっと面白いなと思ったので下記ネタバレしつつ書きます。
ーーーーここからネタバレありーーーー
面白いなと思ったのが、主人公を落ち込ませるエピソードの入るタイミング。いわゆるハリウッド的な(といっても30年以上前のハリウッド)構成法だと物語の真ん中で主人公が絶頂に至り、物語の70%くらいの位置で落ち込み、75%とかで光明を見出し、そしてラストスパート、という感じになる。ただ『狭小住宅』は序盤から中盤に至るまで仕事やめたい〜という話をずっとしてて、かなりダウナー。辞める前に一回営業頑張ってそれで辞めるか、とか思って取り組んだら一件売れて、それが六割くらいのところ。それからは成功とアイロニカルな不安を繰り返して終わりを迎える。整理すると、
①仕事やめたい ↓0% ②異動になる ↓ 37% ③豊川課長に辞めろと言われる ↓ 49% ④あと1ヶ月頑張る ↑ 57% ⑤全く売れない ↓ 59% ⑥蒲田が売れ、表彰される ↑65% ⑦ジェイさんが辞める ↓ 68% ⑧豊川課長のOJT ↑ 70% ⑨2件目が売れる ↑ 70〜85% ⑩何者かになるがただただ空虚、エンディング ↓ 85〜100%
前半はダウナーなシーンが続くように思えるが、実際は大学時代の同期と飲んだり、恋愛要素が入ったりしている。 こうしてみると後半のたたみかけがめちゃくちゃうまいなとおもう。「⑨2件目が売れる」は本当に良くて、この物語が皮肉な結果に終わるだろうと予感しながらも成功に鳥肌が立ってしまった。そしてその通りアイロニカルなエンディングを迎える。 後半はシーンがあるべきところに収まっている感覚がつよくて、それが良かった。 たぶんふつうの物語とは逆パターンのお話なんだろうな。落ちて、あがって、落ちる話。成功の話は合間にちょっとした不穏さを挟むと緊迫感が出る。「⑦ジェイさんが辞める」の繋ぎ方はなるほどと思った。落ち込むシーンはまだ成功できないのでサブプロットで繋ぐ。それは前半だからできること。 なるほどなー。いま自分が書いてるやつもこれと同じことをやりたくて書いてるんだけど、やっぱ全然だなとおもう。本筋が見えてこないし。それは設定詰めてないから物語も見えてないんだろうね。エピソードが散らかるのも物語を深く捉えられていないからっぽい。 はい、頑張ります。
『奴隷のしつけ方』
帝政ローマ時代の奴隷制度にまつわるいろんなトピックを扱っていた。特に面白かったのは奴隷の売られ方をとりきめた法律のことや、奴隷が増加する原因や、奴隷解放にまつわるもの。
『ロビンソン・クルーソー』
イギリス人の船乗りがカリブの島に流れ着いてそこで30年くらい生き延びるという話。大西洋奴隷貿易時代の話を書きたいな〜と思って参考に読んだんだけどめちゃくちゃ面白かった。雑に説明しちゃうと少し前にマット・デイモン主演でかなり売れた『オデッセイ』みたいな感じ(まあむしろ『ロビンソン・クルーソー』が『オデッセイ』に影響を与えたんだとおもうが)。 面白かったのは、孤島でのいろんな工夫がDASH村的に成功して行く点。だいたい成功する。上手くいくのって楽しい。あとは困難な状況で語られる信仰。聖書の引用がちょいちょいあり、困難に耐えるときにこうやって信仰を深くして行くのかみたいなところとか、こう言う状況になると神に見放されたとかおもうんだなあとか、そういうのが新鮮で面白かった。翻訳者のあとがきでも書かれていたが、困難な状況とそれを克服するための心の支え(信仰)という対立構造みたいなものは普遍的なテーマで、いろんな物語で見られる。おれじしん何故ひとが困難に立ち向かえるのか? みたいなのは色んな小説や資料を読んでても考えてしまうポイントで、そこに信仰がくるというのが自分に書けないところだったので面白かった。
2020.11に見た漫画・映画
『スティール・ボール・ラン』
『ヴィンランド・サガ』
『堕天作戦』
『ハウルの動く城』
『ハッピー・デス・デー』
2020.11に書いたもの
こないだから書いてる中編の設定詰める作業をした。一回書き上げてから設定詰めるのアホだと思うんだけど、まあそうした。
最後に
今月は気がついたら終わってた。季節の変わり目ってことも影響してるのかもしれないけど、とにかく難しいことを考えたくない期間で、YouTubeみてだらだらしていた。月の前半はわりと本を読んでいたけど、後半は全く読まなくなってしまった。